藍色のヴェールがほどけ、
夜の重みが、そっと地上を離れていく。
まぶたの裏で
くすぶっていた昨日の残像を、
淡い白光が
静かに塗りつぶしていった。
それは、光が息をする音。
指先が温度を取り戻し、
心臓が再び、
確かなリズムを刻み始める。
私たちは毎晩、小さく死に、
毎朝、
真っ白な画布として再生する。
窓辺に差す一筋の線。
まだ誰も歩いていない
空気の中で、
肺の奥まで、
新しい時間を吸い込んだ。
「おはよう」
その一言は、
世界に向けた静かな希望。
暗闇をくぐり抜けた者だけが
唱えられる、ささやかで、
けれど峻烈な祈り。
昨日までの私を、
愛せなくてもいい。
ただ、
今日という光の中に立っている。
その事実だけを、今は祝福したい。
境界線を越えて、
私はもう一度、私を生き始める。
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