「頑張ってもうまくいかないときは、その道が違うのかもしれない」
そんな言葉を聞くことがあります。
確かに、どうしてもうまくいかないことに執着して、自分をすり減らし続ける必要はないと思います。
向いていないこともある。
環境が合っていないこともある。
思い切って違う道を選んだことで、人生が動き始めることだってあるでしょう。
でも、この言葉を聞くたびに、私は少し引っかかります。
うまくいかないたびに、
「この道じゃないのかもしれない」
「もっと自分に合う道があるのかもしれない」
そうやって別の道を探し続けていたら、どうなるんだろう、と。
新しい道を見つけても、最初から何もかもうまくいくとは限りません。
そこで壁にぶつかったら、また、
「ここも違うのかもしれない」
と次の道を探す。
そして、またうまくいかなければ、さらに別の道へ。
そうしているうちに、どの道も途中まで歩いただけで終わってしまいます。
気がつけば、
「結局、何をやってもうまくいかなかった」
そんな思いだけが残ってしまうかもしれません。
違うのは「道」ではないのかもしれない

うまくいかないとき、「何をするか」を変えようとします。
たとえば、仕事がうまくいかないから転職する。
会社という「箱」を変えれば、今度こそうまくいくと思う。
けれど、しばらくすると、前の会社で感じていたのと同じようなことが起きる。
また会社を変える。
それでも、同じことが繰り返される。
そんなとき、変える必要があるのは、本当に「会社」だけなのでしょうか。
仕事を変える。
環境を変える。
やり方を変える。
新しいことを始める。
もちろん、それが必要なときもあります。
でも、変えられるものは、それだけではありません。
同じ出来事でも、どう捉えるかによって、次に選ぶ行動は変わります。
たとえば、思うような結果が出なかったとき。
「やっぱり私には向いていない」
そう捉えれば、やめる理由になります。
でも、
「どこがうまくいかなかったんだろう」
と捉えれば、見直すものが見えてくるかもしれません。
やっていることそのものが違うのではなく、力を入れる場所が違っていた。
結果が出ないのではなく、結果が出るまでに必要な時間を短く見積もっていた。
失敗したのではなく、ひとつの方法がうまくいかないと分かった。
同じ「うまくいかない」でも、捉え方が変われば、その先はまったく違ってきます。
頑張ることと、同じことを続けることは違う
努力の方向を見直すというと、
「じゃあ、もっと頑張らなければいけないのか」と思うかもしれません。
でも、そういうことではなく、力いっぱい同じ場所を押し続けることだけが、努力ではないと思うのです。
一度止まって、
「私は何をうまくいかせようとしているんだろう」
「なぜ、この方法でなければならないと思っているんだろう」
「結果が出ないことを、私はどう受け取っているんだろう」
と考えてみる。
それもまた、努力。
道そのものを捨てなくても、歩き方は変えられます。
進む速さを変えることもできる。
持っている荷物を減らすこともできる。
今までとは違う場所を見ることもできる。
同じ道に立っていても、できることは案外たくさんあります。
「違う道」を探す前に

人生には、本当に道を変えたほうがいいときもあります。
だから、ひとつの道にしがみつくことが正しいとは思いません。
ただ、
うまくいかない=この道ではない
と決めて、道を変える前に、「違うのは、本当に道だけなんだろうか」と考えてみる。
変える必要があるのは、考え方かもしれない。
物事の捉え方かもしれない。
頑張る場所かもしれない。
あるいは、結果を判断する基準そのものかもしれません。
違う道を探すことだけが、人生を変える方法と思いこまずに、今いる場所で、今までとは違う方向に力を使ってみる。
そうしたら、「何をやってもうまくいかなかった」と思っていた人生の中に、まだ試していなかった道が見えてくるのかもしれませんね。
あわせてお読みください
頑張ろうとしているのに、どうしても動けない。
そんなときは、努力の方向だけでなく、「なぜ今、動けないのか」を見てみることも必要なのかもしれません。


