入り口に立って、
しばらく動けずにいた。
前に進む理由も、
戻る理由も、
まだ見つからない。
ただ、
静けさだけが
ゆっくりと広がっていく。
少しだけ
目を慣らしてみる。
暗がりの中には、
何もないと思っていたけれど、
よく見ると
かすかな光が
ひとつ、揺れている。
それは
大きな希望でも、
道を照らす光でもない。
けれど確かに、
消えてはいない
小さな灯り。
私はそっと、
その灯りのそばに
座り込む。
もう少しだけ、
ここにいよう。
ここから
また、
見えてくるものがある。


